お客様の声34 S様

お客様の声34 S様

昨年父が亡くなり、預金関係の手続きは何とか終わらせたのですが、土地については手続きが難しそうで、どうしたらいいかずっと悩んでいました。でももう1年になり、そろそろ何とかしなければとネットを見ていたら、たまたま「宅配便」の文字を見つけ、開いてみたら、何だかとても簡単に済ませられそうで、すぐにお願いすることにしました。結果、こちらの方では、指定されたいくつかの書類を揃えるだけで、すぐに名義変更の手続きを終えることができました。費用も分かりやすく、経過もその都度知らせて頂き、安心してお願いできました。これで全ての相続関係の手続きが終わり、ゆっくりしました。ありがとうございました。

S様、どうもありがとうございました。

 

 

3月30日(日曜日)、越谷で相続・遺言無料相談会を開催致します。

3月30日(日曜日)午後2時~午後5時、越谷市中央市民会館で、相続・遺言無料相談会を開催致します。

弁護士、税理士、社会保険労務士、土地家屋調査士、司法書士が合同でご対応致しますので、どうぞ皆さまご参加くださいませ。 ご予約は、南越谷法律事務所 048(940)0662 です。

Q073 遺留分減殺請求の方法とは

【Question】

父が半年前に他界しました。
私の母は20年前に亡くなっており、その後父は再婚していますので、相続人は義理の母(再婚後の妻)と、先妻の子である私の2名です。

遺言公正証書によって全財産を義理の母が相続することになっていると聞きましたが、私にも遺留分があると聞いています。具体的にはどのように遺留分を請求していけばいいでしょうか。

 

【Answer】

お父様が亡くなったのが半年前とのことですから、遺言が有効であるならば、なるべく早く『遺留分減殺請求』の意思表示を行う必要があります。これは配達証明付き内容証明郵便で行うのが一般的です。

その後、相手方の反応を見ながら、場合によっては調停を申し立てたり、訴訟を提起したりして遺産を取り戻します。

 

【Reference】

 

遺留分は、期限内に請求しないと消えてしまう

兄弟姉妹以外の相続人には、遺留分があります。

遺言による遺贈や生前贈与等によって遺留分が侵害された場合でも、そのような遺言や贈与がただちに無効になるわけではありません。遺留分権利者が、遺留分を超えて遺贈や贈与を受けた人(受遺者・受贈者)に対し、遺留分減殺請求をして初めて侵害された遺留分を取り返すことができます。遺留分減殺請求権は、請求しないと発生しない権利なのです(昭和41年7月14日最高裁判決の考え方)。

遺留分減殺請求権は、遺留分権利者が、”相続の開始”、および”減殺の対象となる遺贈・贈与があったこと”を、両方とも知った時から1年間で時効消滅し、請求できなくなります(民法1042条)。

遺留分減殺請求権を行使するには、受遺者・受贈者に対する一方的な通告(意思表示)で良いとされていますが、期限内に通告したことの証拠とするため配達証明付き内容証明郵便にしておきます(後に述べるように、遺留分減殺請求の効力発生日を特定するためでもあります)。

遺留分権利者が数人いる場合には、それぞれが自分自身の遺留分に基づいて個別に減殺請求権を行使できるので、共同で行使する必要はありません

なお、相続開始から10年を経過すると、原則として問答無用で遺留分減殺請求権は消滅します。
(ただし不法行為を原因とする心神喪失の状況にあるのに法定代理人がいなかった事案や、被相続人を殺害した者による作為によって相続人が被害者死亡の事実を知りようがなかった事案等で、特殊な扱いがあります)

 

遺留分減殺請求は、何を対象とし、誰に請求するのか

遺留分減殺請求できる対象は、以下のとおりです。
(1)遺贈
(2)相続開始前1年以内になされた贈与(民法1030条)
(3)特別受益となる贈与(何年前でも。民法1044条が準用する903条)
(4)贈与者・受贈者双方が遺留分権利者に損害を与えることを承知したうえでなされた贈与(何年前でも)
(5)市価よりも非常に安い価格で売買されたようなケースでは、市価との差額を実質的な贈与として扱う(民法1039条)

ということは、遺留分減殺請求の相手方は、これらの受遺者・受贈者(亡くなっていればその相続人)ということになります。

もしも受遺者・受贈者等が目的物を第三者に譲渡している場合には、遺留分権利者は原則として受遺者・遺贈者に対して価額賠償を請求できるだけにとどまります。その第三者に対して「返して下さい」と言うことはできません(民法1040条、ただし例外あり)。

 

遺留分減殺請求の効力

内容証明等で1年以内に遺留分減殺請求権を行使すると、それが相手方に伝わった時点でただちに遺留分を侵害する遺贈・贈与は効力を失い、受遺者・遺贈者は遺贈・贈与の目的物を遺留分権利者に返さなければなりません。遺贈・贈与された財産が不動産のような特定の物であるならば、原則は現物返還です(民法1041条に「返還の義務」とある)。

減殺の対象が複数ある場合、順番が決まっています。これは次のQ074で説明します。

現物返還が原則ですが、受遺者・受贈者は、価額賠償によって、現物の返還義務を免れることができます(民法1041条1項)。遺留分減殺請求権が行使されると、不動産などは共有になってしまうことが大半ですから、価額賠償によって解決されることも少なくありません。

このように遺留分減殺請求の効力は強力なものですが、相手方が返還に応じなければ、その効力を現実のものとするために、相手方に対し遺産分割の調停や審判・訴訟という手段をとることが必要です。

 

 

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2014年3月11日 | カテゴリー :

お客様の声33 M様

お客様の声33 M様

相続の為の戸籍書類の入手が手続が大変そうだった。今回は4通必要だったのと、字の判別が出来るかどうか不安だったので、大変よかった。(安心感があった。)
特に最初に送って頂いたパンフレットが大変ありがたかった。

相続関係図はとてもありがたいです(専門家に作成してもらったので)

M様、どうもありがとうございました。

 

 

Q072 遺留分ってなに?

【Question】

3ヶ月前に父が他界しました。法定相続人は、兄(長男)と姉(長女)、それに私の3人です。

父は生前に遺言書を書いており、そこには「財産全てを長男に相続させる」と書かれていました。また、遺言執行者も長男である兄が指定されていました。

兄は、遺言書どおりに執行するので姉や私には遺産を分配しない、と言っています。姉や私には遺産を相続する権利は無いのでしょうか。

 

 

【Answer】

遺産相続において、法律上の形式をととのえた遺言書がある場合には遺言の内容が優先的に実現されますが、一定の相続人には『遺留分(いりゅうぶん)』という最低限度の保証があります。

あなたとお姉様の遺留分割合はそれぞれ6分の1ですから、お二人が受けた遺産相続がこれよりも少なければ、お兄様に不足分を請求することができます。これを『遺留分減殺請求(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)』と言います。

 

【Reference】

 

遺留分とは

遺言は、財産を残す方の自由な意思で作成することができます。遺言に記載された故人の意思は、最大限に尊重するように配慮しなければなりません。

とはいっても、極端な話、「全財産をA慈善団体に寄付する」という遺言も有効ですので、このような場合にはご遺族の生計が成り立たなくなってしまうことも考えられます。

また、ある人が自分自身の財産を生前に贈与することは、相手がだれであろうと自由にできますから、家族の知らない間に第三者に財産が贈与されているということもありえます。そして贈与者が亡くなれば、遺贈の場合と同様に、残された遺族は路頭に迷ってしまいます。

そこで、遺言がある場合や生前贈与がある場合でも、一定の相続人については、相続財産の一部を最低限確保する権利が認められています。これが『遺留分(いりゅうぶん)』で、遺留分の権利を主張することができる人のことを『遺留分権利者』と言います。

 

相続財産に対し、遺留分はどのくらいあるか

遺留分割合一覧
遺留分割合は、相続人が誰かによって異なります。

1)相続人が直系尊属(たとえば父母)のみが相続人であるときには、相続財産の3分の1。

2)その他の場合には、相続財産の2分の1。

3)兄弟姉妹には遺留分はない

となり、遺留分権利者が複数いる場合には、「遺留分割合×それぞれの相続人の法定相続分」で計算します。

これでは少しわかりにくいので、具体的に、相続財産に対し遺留分がどのくらいになるかを計算したのが左の図です。

被相続人に子も父母もいない場合には、相続人は配偶者と被相続人の兄弟姉妹となります(Q003)が、被相続人が配偶者に全財産を相続させたいと考えるならば、兄弟姉妹には遺留分がありませんから、遺言者が「全財産を配偶者に相続させる」内容の遺言を書くことによって完全に希望をかなえることができます。しかし、配偶者ではなく第三者に全財産を遺贈したいと考えるならば、配偶者には遺留分があります。この場合、配偶者の遺留分は全財産に対して2分の1です(兄弟姉妹は遺留分権利者ではなく、遺留分権利者は配偶者一人だけとなるからです。法定相続分4分の3×2分の1=8分の3であるという勘違いをしてしまいがちなので、ご注意ください)。

 遺留分減殺請求

遺留分を取り戻すには、「遺留分を侵害しているので、それを私に返してください」と手続きを踏んで請求する必要があります。これを『遺留分減殺請求(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)』といいます。

遺留分を請求するかしないかは、その人の自由です。
ですから、円満に相続が解決できたり、遺留分まで配慮した遺言書があったりすれば、そもそも遺留分は気にする必要がありません。

なお、遺留分減殺請求権は、遺留分権利者が、”相続の開始”および”減殺の対象となる遺贈・贈与があったこと”を両方とも知った時から1年間で時効消滅し、請求できなくなります。
また、相続開始から10年を経過すると、問答無用で遺留分減殺請求権は消滅します。

 

具体的な遺留分の求め方や遺留分減殺請求の方法は、Q073Q074で解説します。

 

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2014年3月8日 | カテゴリー :

お客様の声32 I様

お客様の声32 I様

他社を見て(web等で)非常に費用が掛かると思いましたが、安価で手続完了が出来て、感謝しております。

I様、どうもありがとうございました。

Q071 戸籍謄本等がつながっているかどうかを確認するには

【Question】

母の戸籍を死亡から出生までさかのぼって取得しているのですが、どこをどう見れば戸籍が連続してつながっているのか、見方がよくわかりません。

 

【Answer】

『新しいほうの戸籍謄本等が作成された日付』と、『1つ前の戸籍謄本等が最終的に有効であった日付』とが一致すれば、戸籍は連続しています。

 

【Reference】

相続手続きでは、数多くの戸籍謄本類(戸籍謄本・除籍謄本・原戸籍謄本)が必要になります。
その理由については「Q069 相続手続きで戸籍謄本が必要になる理由」をごらんください。

被相続人の戸籍については、出生した時から死亡した時まですべてつながっていないと各種手続きを進めてもらえません。
なぜなら、その間に子を作ったり認知したりしている可能性も否定できないからです。

そこで、「戸籍がつながっているかどうか」がポイントになってくるわけですが、慣れていないとこれが難しいのです。
基本的には、2つの戸籍謄本等がつながっているかどうかは、『新しいほうの戸籍謄本等が作成された日付』と、『1つ前の戸籍謄本等が最終的に有効であった日付』とが、一致しているかどうかに着目して判断します。

ここから、比較的最近の戸籍謄本(戸籍事項証明書)を事例として、どこに着目するか説明します。
ただし、これですべてではありません。さらに古い戸籍のケースなど、この説明では不十分な場合もございます。あらかじめご承知おきください。

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(もっと古い戸籍では、戸籍事項欄と身分事項欄が区別されていません。戸主の身分事項欄にまとまって記載されています)

 

戸籍がいつ作られたかは戸籍事項欄で判断する

その戸籍がいつ作られたかは、戸籍事項欄を見ると分かります。
戸籍事項欄には、次の(A)~(C)のいずれかが、日付とともに記載されています。それが、その戸籍が新しく作られた日付です。

(A)改製・・・法改正によって戸籍の様式が変更された場合です。
一つ前の戸籍を取得してみると、『改製原戸籍』と書かれた戸籍になっています。この改製原戸籍の冒頭部分(本籍の横あたり)に、改製された結果いつその戸籍が消除されたか(いつまで有効だったか)という日付が入っています。
この『消除日』と、すぐ次の戸籍の『改製日』は通常は一致していますので、これでつながっていることがわかります。

 

(B)編製・・・婚姻・離婚・養子縁組等によって身分の変動があった場合です

戸籍事項欄に「編製」と書かれていれば、そこに書かれた日付がその戸籍が作られた日(編製日)になります。
一つ前の戸籍を取得して、故人の身分事項欄に着目します。するとそこに、日付とともに「新戸籍編製により除籍」という記載があると思います。この除籍日と新戸籍の編製日とが一致すれば,戸籍はつながっています。

 

(C)転籍・・・他の市区町村から本籍を移した場合

戸籍事項欄に「(別の市区町村から)転籍」と書かれていれば、そこに書かれた日付がその戸籍が作られた日(転籍日)になります。
前の市区町村で一つ前の戸籍を取得すると『除籍謄本』になっているはずですから、戸籍事項欄に除籍日が記載されています。この除籍日と新戸籍の転籍日とが一致すれば,戸籍はつながっています。

 

こうして戸籍がつながっていることを確かめながら、順番に古い戸籍をたどっていきます。
そして、被相続人が出生した日より前に作成された戸籍にたどりつけば、被相続人の出生した日から死亡した日までの連続したすべての戸籍を取得したことになり、相続人調査は終了します。

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2014年3月5日 | カテゴリー :

お客様の声31 M様

お客様の声31 M様

父が亡くなり、相続人は私ひとりでしたので、誰にも相談できず、インターネットで手続き方法を調べていましたが、不動産関係はどこから手をつけていいのか分からず悩んでいました。
試しに取り寄せてみた資料が分かりやすかったので、不動産の名義変更をお願いすることにしました。自分で集めた戸籍関係書類に不備がないか心配でしたが、専門家のアドバイスを受けられて、ほっとしました。

手続きは指示通りに書類を揃えて郵送するだけで完了したので、とても楽でした。
書類を送付するとすぐに到着報告のメールがあり、手続きの進捗状況もメールで教えていただけたので、安心してお任せすることができました。
どうもありがとうございました。

M様、どうもありがとうございました。

Q070 戸籍謄本(除籍謄本・原戸籍謄本)を入手するには

【Question】

相続手続きで、亡くなった母が生まれた時から死亡するまですべて記載された戸籍謄本を取るように求められました。
母の実家は遠方にあり、結婚前の戸籍を取りに行くのは大変です。どうすればいいですか。

 

【Answer】

戸籍は各市区町村で保管しています。戸籍を保管している役場が遠方なら、戸籍謄本等は郵送で取り寄せることができます。現在ではほとんどの市区町村が、郵送による戸籍請求の方法をホームページ上で公開しています。

ただし、大変に面倒なうえ、どこを見れば「連続した」と言えるのか、またどこを見れば「すべてそろっている」と言えるのか、一般の方には非常に骨が折れる作業です。司法書士等の専門家なら、業務に必要な範囲で取り寄せを代行してくれます。

 

【Reference】

どうして戸籍謄本等が必要なの?

相続手続きでは、数多くの戸籍謄本類(戸籍謄本・除籍謄本・原戸籍謄本)が必要になります。
その理由については「Q069 相続手続きで戸籍謄本が必要になる理由」をごらんください。

 

実際に戸籍謄本等を取得する方法

戸籍謄本等は,一番新しい戸籍(被相続人が死亡した事実が記載されている戸籍)から順番に、より古い戸籍へとさかのぼって取得していくのが一般的です。

入手する方法は次の3つです。

 

方法(1)本籍地の市区町村役場の窓口で直接申請する

この場合、窓口で「相続手続のために使う」と伝えれば、被相続人が記載されている戸籍謄本等でその役場に保管されているものならば、すべて出してくれるはずです。

戸籍謄本等はプライバシーの最たるものです。申請の際には必ず身分証明書の提示を求められますので、免許証などを忘れないようにしましょう。

また、一定の親族でない者は取得できない仕組みになっておりますので、戸籍を請求する人が故人の直系の親族であることを証明するための戸籍謄本は持参しましょう(申請者の本籍が同じ市区町村ならば必要ありません)。
なお、取れるのは自分の親・祖父母や子・孫のような直系親族だけで、兄弟姉妹などの傍系親族の戸籍を取ることはできません

手数料は、戸籍謄本が1通450円、除籍謄本・原戸籍謄本が1通750円もします。
さかのぼって発行してもらうと結構な金額になることがありますので、現金を多めに用意しておきましょう。

 

方法(2)郵便で申請する

本籍地の市町村役場のホームページに、郵送による戸籍請求の方法が記載されていることが多いですので、申請方法を必ず確認します。もちろん電話で問い合わせてもかまいません。

申請書の様式は市区町村によって異なりますが,内容はどこも同じようなものです。ホームページから申請書の様式をダウンロードできる場合もありますので,それを印刷して使うと便利です。

郵送申請では、通常、以下の書類を同封します(役場によって異なることがあります)
申請書
・手数料相当の定額小為替
返信用封筒(返信切手は余裕を持って貼っておく)
身分証明書のコピー
戸籍請求者の戸籍謄本等のコピー(対象者が直系の親族であることを証明するため)

手数料は、戸籍謄本が1通450円、除籍謄本・原戸籍謄本が1通750円で、戸籍の附票は市区町村により異なります。
現金を送ることはできないので、定額小為替を郵便局で購入して送ります。ただし、申請先の役場で取れる戸籍謄本等がはたして何通あるかは、実際に申請してみないとわかりませんから、定額小為替は多めに同封しておきます。
なお、定額小為替そのものの発行にも、1枚100円の手数料がかかります。高いです。

取れるのは自分の親・祖父母や子・孫のような直系親族だけで、兄弟姉妹などの傍系親族の戸籍を取ることはできません

 
方法(3)司法書士等の専門家に代行してもらう

戸籍(戸籍謄本・除籍謄本・原戸籍謄本)を一般の方がそろえるには、次の3つの問題があります。

(1)自分の親や子についてのものしか取れない。兄弟姉妹の分は取れない。

(2)取得するには、その戸籍を保管している役場に行って取得するか、郵便で取得しなければならないので面倒

(3)そもそも、古くてわかりにくい書類なので、どこをどう読めば「連続している」と言えるのか、理解が難しい

そこで、司法書士などの専門家に依頼して、このような面倒な作業を代行させることができます。司法書士などの専門家は、依頼を受けた業務に必要な範囲で、職権でこれらの書類を取り寄せることができます。この場合、兄弟姉妹のような傍系の親族についても取り寄せることができます。

 

 

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2014年3月3日 | カテゴリー :

Q069 相続手続きで戸籍謄本が必要になる理由

【Question】

銀行で母の預金口座を解約しようとしたときも、司法書士に家の相続登記を依頼したときも、母が生まれた時から亡くなるまでの戸籍謄本(古いものは除籍謄本とか原戸籍謄本というそうですが)がすべて必要だと言われました。どうしてそのような、たくさんの戸籍が必要になるのですか。

 

【Answer】

日本では、亡くなった人の相続人が誰かということを第三者に証明するには、血縁関係や婚姻関係が記載されている戸籍謄本しかありません。

遺産を分割して名義を変えるには、相続人全員の合意が必要です。一人でも相続人が欠けた状態で合意したとしても、その合意は無効になってしまいます(Q030)。
もしも相続人全員が合意していないのに銀行が故人の預金を全額払い戻してしまったり、登記所が不動産の登記名義を変えてしまったりしたら、無視された相続人の相続権を侵害したことになり、大問題になりかねません。

そこで、銀行や登記所で故人の遺産について手続きをする際には、相続人は「私たちの他には相続人は存在しません」ということを証明するために『被相続人が出生してから死亡するまでの、連続したすべての戸籍(戸籍謄本、除籍謄本、原戸籍謄本)』を用意してあげます(注1)。戸籍謄本はさまざまな理由で書き換えられるのですが、書き換えの時点で効力のない事項は新しい戸籍に引き継がれないので、古いものからすべて用意してあげる必要があるのです。

いっぽう、相続人のほうも「私が相続人です」ということを証明しなければなりません。相続人の中で亡くなっている人がいる場合には、代襲相続や二次相続が発生して相続関係が変わるからです。そこで、相続人全員がそれぞれ自分自身の戸籍謄本等を提出します。

(注1)不動産登記の場合は、12歳程度から死亡までで足りるとされています。これより前では子供を作れないからです。
銀行などでは、行内規定等によって、出生から死亡までそろえることを求められることが多いように思います。

 

【Reference】

戸籍謄本(除籍謄本・原戸籍謄本)を取り寄せる意味

亡くなったお母様とあなたが親子であって、あなたがお母様の相続人であるということは、銀行や登記所の係官は誰も知りません。日本国民一人ひとりの血縁関係が、すべて国のスーパーコンピューターで情報管理されているわけではないのです。

人が生まれ、結婚し、亡くなるまでの血縁関係などは、『戸籍』という制度で管理されています。 この戸籍の『写し』(今は戸籍が電子化されているのでプリンターの印刷ですが)が、親族の血縁関係を公的に証明する唯一のものなのです。

そこで、たとえば故人の預貯金の解約や不動産の名義変更(相続登記)・家庭裁判所での調停申し立て・遺言書の検認手続きなど、相続によるさまざまな手続きでは、故人と相続人の血縁関係を証明するために戸籍謄本(戸籍の写し)を提出します。

さらに、相続人が一人でも欠けていると相続人間の合意は無効ですから、被相続人の出生してから死亡するまですべての連続した戸籍(戸籍謄本、除籍謄本、原戸籍謄本)も提出して、他に相続人がいないことを証明するのです。

もしも故人に子や孫が無く、兄弟姉妹が相続人となる場合Q003)には、故人の出生~死亡を証明しただけでは足りず、父親と母親双方の出生~死亡まで記載されたすべての戸籍謄本類をそろえて、「故人には子や孫はおらず、兄弟姉妹は私たちだけです」ということまで証明していかなければ、手続きしてもらえません。

代襲相続の場合Q005等)にも、故人等の出生~死亡を証明しただけでは不足で、被代襲者の出生~死亡まで記載されたすべての戸籍謄本類をそろえ、「故人の相続人と代襲相続人は私たちだけです」ということまで証明していかなければならない仕組みになっています。

なお、有効な遺言があり、その記載内容に基づいて相続手続きをする場合には、被相続人の戸籍を出生までさかのぼる必要はありません。遺言者が死亡したことを証明する戸籍と、遺言によって遺産を引き継ぐ相続人の戸籍だけがあれば足ります。これは、「他に相続人がいないこと」を証明する必要が無いからです。

 

戸籍が書き換えられるとき

戸籍は、国の委託を受けて、各市区町村が個別に管理しています。

本籍地を他の市区町村に移せば、新しい戸籍に書き換えられます。また、結婚すれば、前の戸籍からは除かれて新しい戸籍に書き換えられます。このような書き換えによってそれまでの戸籍に誰もいなくなると、その戸籍は閉鎖されて、以後「除籍(除かれた戸籍)」と呼ばれます。

さらに、 ずっと本籍地が変わらず結婚もしなかった場合でも、法律や制度の変更によって戸籍が書き換えられることもあります。これを「改製」と言います(「改正」は間違い)。改正される前の戸籍は「原戸籍(はらこせき)」と呼ばれます。

 

このようにして戸籍が書き換えられる際には、書き換えの時点で効力がない事項は、新しい戸籍に引き継がれません

たとえば、被相続人が横浜を本籍地として生まれ、結婚して札幌に本籍を移し、その後転勤で本籍を福岡に移して、そこで亡くなったとしましょう。

すると、被相続人が札幌で過ごしている間に子供ができ、その子供が結婚して独立した場合には、被相続人が亡くなったときの福岡の戸籍には、子供は記載されていません。
また、ひょっとすると、結婚する前の横浜時代に、子供を認知していたかもしれません。

そこで、役所や金融機関は、「福岡の戸籍謄本だけじゃなくて、生まれた横浜の戸籍(除籍)謄本と、次の札幌の戸籍(除籍)謄本も用意してくださいね」と指示するわけです。

ちなみに、「除籍」・「原戸籍」は、最低150年は各市区町村に保存されています。

 

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2014年3月1日 | カテゴリー :