Q049 相続税の申告と納税は、どうやっておこなうのか?

【Question】

実家は東京なのですが、兄は仙台に、私は大阪に住んでいます。

父にもしものことがあったら、相続税の申告をすることになりそうです。
そうなった場合、私は、住んでいる大阪で、自分が相続した財産についてのみ申告をすればいいのでしょうか。

 

【Answer】

まず、相続税の申告書を提出する先は、相続人の住所地ではなく、被相続人が亡くなったときの住所地を所轄する税務署です。あなたの場合は東京になります。

次に、相続税額の計算方法は、相続人それぞれが実際に取得した財産に直接税率をかける、という単純なものではありません。
『課税遺産総額から相続税の総額をはじき出し、これを相続人ごとに実際に取得した財産の割合に応じて比例配分する』というものですから、相続財産が全体でどのくらいあるのかを明らかにしなければ税額を求めることができず、相続税の申告をすることもできない仕組みになっています。

従いまして、相続税の申告はあなた一人で済ませるのではなく、ごきょうだいで協力して行うのが基本です。

 

【Reference】

相続税の申告書の提出先

相続税の申告書を提出する先は、被相続人が亡くなったときの住所地を所轄する税務署(正確には税務署長)です。相続人の住所地を所轄する税務署ではありません。

 

相続税の申告書の提出期限

相続税の申告書の提出期限(申告期限)は、相続の開始があったことを知った日(通常は被相続人が亡くなった日の翌日から10ヶ月目の日、です。
たとえば、亡くなったのが6月10日ならば、申告期限は翌年4月10日になります。ただし申告期限の日が土日祝日にあたるときは、これらの日の翌日まで申告期限が延びます。

申告期限よりも遅れて申告書を提出した場合には、無申告加算税という重いペナルティがあります。

なお、申告期限に間に合わないと、原則として配偶者控除や小規模宅地の特例を受けることができません
そのため、「遺産総額が基礎控除額を超えるけれども、特例の適用によって税額を0にしたい」という場合には、結果的に税金を納めなくても申告する必要があります。ご注意ください。

また、申告期限内に手続きを取らないと、延納や物納の適用が認められません。

 

相続税の申告書の提出方法

相続税の申告書は、同じ被相続人から相続・遺贈などによって財産を取得した人が共同で作成して提出するのが基本です。

なぜなら、相続税額を計算するには、『課税遺産総額から相続税の総額をはじき出し、これを相続人ごとに実際に取得した財産の割合に応じて比例配分する』必要があり、相続財産が全体でどのくらいあるのかを明らかにしなければ税額を求めることができず、相続税の申告をすることもできないからです。

しかし、どうしても共同で作成して提出することができなければ、個別に申告書を提出することも可能です。

また、相続人の間で遺産分割(誰がどの遺産を承継するかを決めること)が終わらないと、正確な相続税額を求めることができない構造になっています。それでは、相続人間でもめてしまい、申告期限内に遺産分割ができない場合にはどうなるでしょうか?

この場合には、簡単にいえば、民法が定める相続分(法定相続分)に応じて遺産分割をしたものと仮定して、とりあえず各相続人が相続税を納めます。そして、遺産分割が完了した後に、実際に承継した財産と法定相続分とを比べ、その差に応じた相続税の追加納付または税還付によって精算することになります。

 

相続税の納付

相続税の納付期限は、申告期限と同じく、相続の開始があったことを知った日(通常は被相続人が亡くなった日の翌日から10ヶ月目の日、です。

納付場所は最寄りの金融機関(銀行や郵便局等)または所轄の税務署です。電子納税(e-tax)を利用して納めることもできます。

納付方法は、現金一括払いが原則です。
申告期限までに手続きを取れば『延納・物納』が認められることもありますが、基本的に納税者に有利な制度ではありません。

期限よりも後に納付すると、延滞税という重いペナルティがあります。

 
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2014年1月14日 | カテゴリー :

Q048 絶対に相続税を支払いたくないのですが (相続税の納税義務者)

【Question】

今後、私に万一のことがあった場合でも、絶対に、子供たちに相続税を納めさせたくありません。
なにか良い方法はありませんか?

 

【Answer】

さまざまな相続税対策を活用して、相続財産の価格を基礎控除額以下に減らすことができれば、相続税を納める必要はなくなります。
しかし、2015年1月1日以降に生じた相続については基礎控除額を引き下げることがすでに決まっており、今後もさらに引き下げられるかもしれません。相続税対策に『絶対』はありません。

それでも絶対に相続税は納めたくない・・それには”相続税の納税義務者ではなくなってしまう”のが一番確実です。しかし・・・

 

【Reference】

タイトルを見て「何だこれは?」と思われたかもしれませんが、これはネタです。
もちろん、本当にこのようなご質問をいただいたわけではありません(笑)

初めに申し上げておきますが、この記事をお読みになっている時点ですでにお身内が亡くなっていて、あなたご自身が日本に住所がある相続人の1人であるならば、残念ですがここからの記事はまったく役に立ちません。ご注意ください!

 

ところで、2014年現在で世界一の借金国である日本国ですが、今後、個人所得や法人所得が飛躍的に増加し、それにともなって所得税・法人税の税収が大幅アップして、みごとに国の財政を立て直すという可能性は、ハイパーインフレでも引き起こさない限り、ほとんどないと言えるでしょう。
むしろ、国際競争力を高めるために、法人税率を下げようとする動きがあるくらいです。

そこで、政府はなんとか税収を確保しようと、消費税などの間接税の引き上げを狙っています。
さらに、ご存じのとおり、相続税などの資産に対する課税を強化する動きもますます強まっています。

富裕層の一部では、海外投資をして国外に資産を移すことによって、円通貨の信認低下や日本国の財政破綻から資産を防衛しようとする動きがあります(注1)。
国外に資産を移すことによって日本国による課税を回避したいという思惑があるのかもしれません。

対する国税当局は、富裕層が持つ海外資産の把握に力を入れています。罰則付きの国外財産調書制度(注2)が導入されたのは記憶に新しいところです。

海外に個人資産を隠すのは、しょせん『脱税』であり、犯罪です。
しかし、相続税法1条の3に定められている『相続税の納税義務者』でなくなれば、合法的に日本国に相続税を納める必要はなくなります。

 

相続税の納税義務者とは

日本の法律が適用になるケースでは、基本的に、(1)相続 (2)遺贈 (3)死因贈与 (4)相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した個人は、どのような人でも相続税の納税義務者となります。ただし一定の場合にはこれが制限されます(相続税基本通達1の3・1の4共-3)。

 

(1)居住無制限納税義務者
ある人が亡くなって相続・遺贈・死因贈与が生じ、亡くなった時点で日本国内に住所(注3)がある人が財産を引き継いだ場合は、日本国籍であろうとなかろうと、『居住無制限納税義務者』となります。
この場合には、取得した財産が国内にあっても国外にあっても、取得した財産の全部に対して相続税の納税義務を負います。

 

(2)非居住無制限納税義務者
ある人が亡くなって相続・遺贈・死因贈与が生じ、亡くなった時点で日本国内に住所がない人が財産を引き継いだ場合は、次の条件のすべてにあてはまるならば『非居住無制限納税義務者』となります。
(a)財産を引き継いだ人が、日本国籍を有している
(b)故人か、または財産を引き継いだ人のどちらかが、相続開始前5年以内に日本国内に住所を有したことがある
(a)(b)両方にあてはまる場合には、(1)と同様、取得した財産が国内にあっても国外にあっても、取得した財産の全部に対して相続税の納税義務を負います。

 

(3)制限納税義務者
・ある人が亡くなって相続・遺贈・死因贈与が生じ、亡くなった時点で日本国内に住所がなく日本国籍も有しない人が財産を引き継いだ場合には、『制限納税義務者』となります。
・ある人が亡くなって相続・遺贈・死因贈与が生じ、亡くなった時点で日本国内に住所がないが日本国籍は持っている人が財産を引き継いだ場合で、しかも故人と財産を引き継いだ人の両方とも相続開始前5年以内に日本国内に住所を有したことが無いならば、やはり『制限納税義務者』となります。

このような『制限納税義務者』に当てはまるならば、日本国内にある財産に対してだけ相続税の納税義務があります。

 

相続税を合法的に納めなくても良くなるには?

税法や通達の表現が非常に難解でわかりにくいですが、早い話が、相続税の納税義務者ではなくなりさえすれば、合法的に相続税を納めなくて良くなります。
それには、次のどちらかのどちらかのパターンしかありません。

パターン(1)
・財産を引き継ぐ予定の人が、日本国外に住所を移す
・加えて、財産を引き継ぐ予定の人が、日本国籍を失う(海外に帰化する)
・引き継ぐ財産は、海外の財産とする

パターン(2)
・財産を引き継ぐ予定の人が、日本国外に住所を移す。国籍は日本国籍のまま。
・引き継ぐ財産は、海外の財産とする
・亡くなる予定の人(?)は、日本国外に住所を移し、最後まで帰ってこない。5年間は健在でいて下さい。
・財産を引き継ぐ予定の人も、相続が発生するまで帰ってきてはいけません。

・・・さて、いかがでしょう?
日本人として生まれた私達が日本の国税当局の追及を合法的に免れるには、きわめてハードルが高いことがわかります。
以前はもう少しハードルが低かったのですが、国税当局が最近になってハードルを上げたのです。

それに、日本国籍を離脱してまで相続税を納めたくないのなら、スウェーデンのように相続税の制度が無い国に行かないと、意味がありませんね。

 

(注1)
海外投資をして国外に資産を移す場合、『為替リスク』『政治リスク』については良く知られている。しかし、資産の持ち主である個人が死亡した場合の『相続リスク』についてはあまり触れられることが無い。
海外資産で相続が発生すれば、現地の言語はもちろん、日本国内の法律・税法に関する知識と、現地の法律・税法に関する知識の両方が必要となる(「どちらの国の準拠法に従うか」などという簡単な問題ではないのが現実の世界だ)。これを専門家に任せるとなれば、相当なコストがかかることも覚悟しなければならない。遺族への負担も大きく、最悪の場合、投資を回収できなくなるおそれもある。
『相続リスク』は、いつか必ず発生する確率100%のリスクであるから、これに対するリスクヘッジを考えずに海外投資を行うのは危険きわまりない。それができないのならば、国内の証券会社が取り扱う海外の金融商品で我慢したほうが良い。
「海外投資をすれば、利益も上がって資産も安全」というささやきには、くれぐれも用心すべきである。

(注2)国外財産調書制度
12月31日現在で5,000万円を超える国外財産を有している人は、確定申告をしない人でも『国外財産調書』を翌年の3月15日までに提出することが義務づけられた。
2013年(平成25年)12月31日時点の国外資産が初めての対象になるため、2014年(平成26年)3月に最初の国外財産調書を提出することになる。
なお、初年度は罰則が無いが、2015年1月1日以降に提出すべき国外財産調書を出さなかったり、虚偽の記載をしたりすると、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる。

(注3)住所
相続税法における住所とは、生活の本拠のことをいう。生活の本拠がどこかは、客観的な事実で判定される(相続税基本通達1の3・1の4共-6)。住民票のような形式的なもので決まるわけではない。

 

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2014年1月10日 | カテゴリー :

Q047 遺言や死因贈与でもらった財産にかかるのは贈与税?相続税?

【Question】

古くからの友人が亡くなりました。

彼は生涯独身で子供がいないため、あらかじめ遺言を書いていました。

その遺言の中で、財産の一部を私に”遺贈”するというふうに書かれていたのですが、贈与税の税率が高いことは聞いておりますので税金が心配です。

 

【Answer】

『遺贈』によって財産を受け取った場合には、税率が高い贈与税ではなく、相続税がかかる可能性があります。
故人と血縁が無い場合でも、かかるとすれば「相続税」になります。
『相続税』ですから、相続財産の価格が相続税の基礎控除額以下ならば相続税はかかりませんし、基礎控除額を超える場合でも、税率は贈与税よりも低くなっています。

ただし、配偶者および1親等の血族以外の人が相続税を課される場合には、2割加算の対象になります。

 

【Reference】

 

『相続税』の対象になる4つのパターン

個人が被相続人(亡くなられた人)の財産を受け継ぐにあたって、次の4つのパターンでは『相続税』がかかる場合があります。

(1)相続
故人が生前に、財産を引き継ぐ人を決めていない場合。
引き継ぐ人は法定相続人に限られる。

(2)遺贈
故人が生前に、財産を引き継ぐ人を遺言で決めている場合。
引き継ぐ人は第三者でも良い。

(3)死因贈与
故人が生前に、ある特定の人と、自分の死後に財産をあげることを約束(契約)している場合。
引き継ぐ人は第三者でも良い。

(4)相続時精算課税制度を利用して贈与している場合
故人が生前に、ある特定の人に自分の財産をあげたが、贈与税の特例である相続時精算課税制度を利用している場合。
本来支払うべき贈与税は、相続税によって清算する。第三者は利用できない。

(2)遺贈や、(3)死因贈与では、第三者が故人の財産をもらうこともあるので『贈与税』がかかりそうな誤解がありますが、この場合にはあくまでも『相続税』の問題になります。

したがって、『相続財産の価格が相続税の基礎控除額以下』ならば、相続税はかかりません。
また、『相続財産の価格が相続税の基礎控除額を超える場合』でも、税率は贈与税よりも低くなっています。

ただし、配偶者および1親等の血族以外の人が相続税を課される場合には、2割加算の対象になります。

また、死因贈与によって不動産を所得した場合や、法定相続人以外の第三者が遺贈によって不動産を所得した場合には、相続税とは別に『不動産取得税』がかかります(一般的な相続によって不動産を取得した場合には不動産取得税はかかりません)。

こんなときに相続税がかかる

 

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2014年1月8日 | カテゴリー :

Q046 どれくらい遺産があると相続税がかかるのか(基礎控除額)2015年改定版

【Question】

亡父の遺産を、私(長女)と弟の二人が相続します。
父の遺産は、預金800万円のほかに自宅(土地と建物)があるだけです。
自宅(土地建物)の時価は、不動産屋さんに聞いてみたら3,000万円くらいだろうと言われました。

不動産屋さんから、たぶん相続税はかからないだろうとも言われましたが、本当に税金はかからないのでしょうか。
また、税金がかからないとしても何か手続きをする必要はあるのでしょうか。

 

【Answer】

亡くなったお父様の遺産があなたのおっしゃるとおりだとすれば、相続税の基礎控除額の範囲内に納まっていると考えられますので、相続税はかかりません。
相続税の基礎控除額に納まっている場合には、手続きは何も必要ありません。

ただし、相続税の手続きが必要かどうかを確実に判断するためには、きちんと土地建物を評価する必要があります。
また、他に遺産がないかどうか(受け取った生命保険金などや生前贈与を受けた財産なども相続税の対象になることがあります)を確認し、あるならばその内容をきちんと確認することが大切です。

 

【Reference】

 

相続財産が基礎控除額以下なら、相続税は0円で手続きも不要

『相続税』の手続き(申告)が必要になるのは、故人が残した相続財産が、一定の金額(基礎控除額)を超える場合だけです。
逆の言い方をすれば、故人が残した相続財産が基礎控除額以下だと、相続税は0円であり、相続税の手続きは何もする必要がありません

相続税申告が必要なのは

さて、相続税の基礎控除額は以下のとおりです。
相続税の基礎控除額(改正前)相続税の基礎控除額(改正後)

2015年1月1日以降に発生した相続については、基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

 

ご相談の事例でいえば、法定相続人が姉弟お2人ということですから、基礎控除額は、

3,000万円プラス(600万円×2人)= 4,200万円

となります(2015年1月1日以降に亡くなった場合)。

遺産が預金800万円と自宅土地建物3,000万円のみならば、相続税の基礎控除額には届きませんので、相続税はかからず、相続税の手続き(申告)も不要です。
(相続税申告では、土地を路線価等の相続税評価額で評価します。相続税評価は普通は時価より低くなりますから、自宅土地建物が時価で3,000万円ならば、相続税評価はもっと低いでしょう)。

 

相続税の基礎控除額は、法定相続人が多いほど大きくなります。
そのため、故Aさんと故Bさんとで相続財産の価格が同じだったとしても、法定相続人が多い故Aさんのほうでは相続税がかからないのに、法定相続人が少ない故Bさんのほうでは相続税がかかる、ということが起こります。

 

『法定相続人の数』を数える場合の注意(養子縁組)

法定相続人とは、民法上、相続する権利がある人のことを指します。

法定相続人の数が多ければ多いほど相続税の基礎控除額が大きくなりますから、養子を増やせば相続税が節税できそうにも思えてしまいます(民法上、養子は実子と同じなので)。

しかし、このような節税を防ぐため、被相続人に養子がある場合には、『法定相続人の数』に含めることができる養子の数については、次のような制限が定めれれています。

被相続人に実子がある場合・・・1人だけ
被相続人に実子が無い場合・・・2人まで

たとえば、法定相続人が実子1名・養子2名の場合には、法定相続人は3名ですが、相続税の基礎控除額を計算するために『法定相続人の数』を数える場合には、「2人」と計算することになります。

 

『法定相続人の数』を数える場合の注意(家庭裁判所の相続放棄)

家庭裁判所で手続きをすることによって、相続手続きから完全に離脱できる制度があります(相続発生後の一定の期間に限ります)。
『(家庭裁判所の)相続放棄』と呼ばれる制度で、故人に財産より借金が多い場合などに多く使われますが、単に関わりを持ちたくないというような場合にも利用することができます。

この『相続放棄』をすると、「はじめから相続人ではなかったものとみなされる」ため、相続税の基礎控除額を計算するときに不利になってしまうのではないか、という心配があります。

この点について、結論的には心配は無用です。

相続税の基礎控除額を出す場合の『法定相続人の数』とは、相続放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数のことをいいます(タックス・アンサーNo.4152)。そのため、相続人の中に相続放棄した人がいる場合でも、他の相続人が税法上不利になることはありませんので、ご安心ください。

 

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2015年1月8日 | カテゴリー :

Q045 遺産分割後に被相続人の子が認知されたらどうなるか?

【Question】

亡父の相続について、子である私たち兄弟による遺産分割協議はすでに終了したのですが、亡父の子であると主張して認知の訴えを提起した人がおり、これが裁判上認められました。認知された子から遺産分割のやり直しを求められたら、これに応じなければならないのでしょうか。

 

【Answer】

遺産分割協議の後に認知された子が現れた場合には、遺産分割協議をやり直す必要はありませんが、認知された子の請求に応じて相続分にあたる額を価額賠償しなければなりません。なお、価額を計算する場合は請求時の時価によります。

 

【Reference】

相続が発生した後に子が認知される場合には、次のようなケースがあります。
(1)遺言で認知された場合
(2)父の生存中から認知の訴えが起こしていて、父の死後に認められた場合
(3)父の死亡後に認知の訴えを起こして、これが認められた場合

認知の効果は子の出生時までさかのぼって発生します(民法784条)から、認知された子は父親の死亡時に相続人であったことになります。

相続人を一人でも欠いた遺産分割協議は無効ですから、子が認知された時点で遺産分割協議が終わってしまっているならば、本来は協議をやり直さなければならないはずです(Q043)。
しかし、認知の訴えは父の死亡後3年以内なら提起することができ、その訴えが確定するまでにはさらに時間がかかることが考えられます。この間に遺産分割協議が成立して遺産を分配し、場合によっては引き継いだ遺産を売却などしなければならないかもしれず、それが認知の確定によってやり直しを迫られるとすれば、非常にやっかいです。

そこで、民法は特例を設けました。
婚姻外で生まれた子が父親の死後に認知された場合には、その子も遺産分割に参加できることはもちろんですが、認知される前に他の共同相続人が遺産分割を済ませていたり、遺産を処分したりしていた場合には、自己の相続分に相当する金額の支払いを他の共同相続人に請求できるだけにとどめたのです(民法910条)。

認知された子が請求できる金額は、請求時の時価によることになります。
また、認知された子も相続人には違いありませんから、相続債務についてはその相続分に応じて負担することになります。

 

なお、被相続人である父に子がいないものとして被相続人の父母や兄弟姉妹が遺産を相続した後に、認知された子が現れた場合には、認知された子が相続人となり被相続人の父母や兄弟姉妹は相続人とはなれなかったはずですから、認知された子は民法884条の『相続回復請求権』を行使できることになり、被相続人の父母や兄弟姉妹は相続した遺産を認知された子に返さなければなりません。この場合には金銭賠償というわけにはいかないのです。

 

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Q044 遺産分割でもらった遺産に不足や問題があったら?(共同相続人間の担保責任)

【Question】

遺産分割協議がまとまって、私は登記簿上で40坪(時価2,000万円相当)の土地を受け継ぐことになりました。ところが、この土地を実際に測量してみたところ35坪しかありませんでした。5坪足りませんから、私は250万円ぶんの損をした気持ちです。このような場合に遺産分割協議をやり直すことは可能なのでしょうか?

 

【Answer】

状況からすると遺産分割に無効事由があるとは言えないと考えられます。
相続人全員が合意すれば、成立した遺産分割協議を解除してやり直せる可能性はありますがあまり現実的とは言えず、課税の問題もあります。

このような場合には、民法の規定により他の共同相続人に対して不足額の補償を求めることができます。
ただし、補償を求めることができるのは『相続財産に問題があることを知ったときから1年間』に限られます。

【Reference】

遺産分割協議の結果ある相続人に分配された遺産が、協議のときに見積もっただけの価値がないことが後になって判明することがあります。
たとえば、次のような場合です。
1)遺産の数量に不足がある場合(ご相談のケース)
2)相続財産の一部が他人のものだった場合
3)分配した財産の上に実は担保がついていて、権利を失った
4)遺産に、分割時には分からなかった問題・キズがあり、評価どおりの価値がなかった

このような場合に遺産分割協議を無効としてやり直しを他の相続人に求めることができるかというと、これは難しいと言えます。遺産を分割するという協議の目的そのものは達成されていますし、落ち度のない他の相続人に再度の遺産分割を強いることは望ましくないからです。

そこで、このような場合には、他の共同相続人に対して補償を求めることができます。これを『共同相続人間の担保責任』と言います(民法911条)。

この補償は、他の相続人に過失が無くても当然に認められます。不公平を是正するための救済措置だからです。

他の共同相続人が2名以上いるならば、民法911条で損失負担の割合は相続分の割合に応じて負担するとなっています。
しかし、法定相続分どおりに分割されていないならば、遺産分割の際の評価に従い、現実に分配された財産価値の割合に応じて損失も配分する(”具体的相続分”に応じた配分)のが公平であると言えます。

したがって、共同相続人のうちの一人が相続財産の「全部」を引き継いだ場合には、遺産の中に価値が足りないものがあっても、他の相続人に補償を求めることはできないのは当然です。

他の共同相続人に補償を請求できるのは、期限があります。
その期限は、財産を受け継いだ相続人が上記のような問題があることを知った時から1年間です。
落ち度のない他の相続人にいつまでも責任を負わせるのは酷であるからです。

ご参考 民法911条
各共同相続人は、他の共同相続人に対して、売主と同じく、その相続分に応じて担保の責任を負う。

(共同相続人間の担保責任は、売買契約における売主の担保責任と同様に考えられています。ただし、売主の担保責任の負い方には、1・解除、2・代金減額、3・損害賠償(補償)がありますが、このうち解除については判例で否定されており、原則として損害賠償(補償)という形で責任を負うことになります)

 

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Q043 遺産分割協議をやり直しできるか(無効事由がある場合)

【Question】

先日、遺産分割協議がまとまって分割協議書への署名捺印を済ませ、名義変更や相続税の申告も終わりました。 しかし、後になって兄が父の相続財産である預金や株式の一部を隠していたことがわかりました。隠されていた預金などの額は小さいものではなく、遺産分割協議からやり直したいと思うのですが、このようなことは可能なのでしょうか?

 

【Answer】

隠されていた相続財産を再分配するだけで解決するならば、すでに終わっている遺産分割協議とは別に、隠されていた遺産だけを分割するという方法があります。

しかし、隠されていた相続財産の存在を他の相続人が知っていたならば、そもそも当初の遺産分割協議のような内容では到底まとまっていなかったような場合には、成立した遺産分割協議を無効として遺産分割協議をやり直す余地があります。

このような形で遺産分割をやり直すと、すでに相続税申告が済んでいる場合には修正申告をせざるを得ません。隠されていた相続財産について追徴税が発生する他、延滞税の納付義務もあります。もしも隠されていた相続財産が税務署の税務調査で見つかったものであれば、過少申告加算税が課される可能性もあります。

 

【Reference】

遺産分割協議において単に相続財産の一部が漏れていたというだけでは、新たに相続財産が見つかったということをもっけの幸いとしてすでに成立した遺産分割協議をひっくり返すことはできません。この場合には新たに発見された財産だけを再分割すれば済んでしまう話だからです(Q038)。

しかし、たとえば一部の相続人が価値の高い相続財産を隠していて、遺産分割協議が終わった後にその事実が明るみになったというように、もしもその相続財産の存在を他の相続人が初めから知っていたならばそのような遺産分割協議は成立しなかっただろうと考えられるような場合があります。

この場合には、遺産分割協議において重要な部分に錯誤がありますから、相続人は遺産分割協議の錯誤による無効を主張し、再び遺産分割協議を行うことができるでしょう。
このような形で遺産分割をやり直すならば、すでに不動産などの名義変更が済んでいる場合にはこれもやり直すことになります。

問題は、相続税申告が終わっている場合です。相続財産が増えていますから、修正申告による追徴税は避けられません。
延滞税の納付義務もあります。
もしも隠されていた相続財産が税務署の税務調査で見つかったものであれば、過少申告加算税が課される可能性もあります。
これによって発生した損害については、遺産を隠していた相続人に対する損害賠償の問題となります。

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Q042 遺産分割協議をやり直しできるか(相続人の合意による場合)

【Question】

先日、遺産分割協議がまとまって分割協議書への署名捺印を済ませました。
しかし、協議の中で長兄(A)が取得することになった貸駐車場については、諸事情から次兄(B)が継いだほうがいいのではないかという話が持ち上がっています。これについては他の相続人の間でも異存はないのですが、一度決まった遺産分割協議をやり直しても問題はないのでしょうか。
なお、その貸駐車場を含めて名義変更はすべて終わっています。

 

【Answer】

法律上は相続人全員の合意があれば遺産分割協議のやり直しは可能なのですが、税務上は原則として兄Aから次兄Bへの贈与として贈与税(または譲渡所得税)が課税されます。贈与税は税率が高いため、合意による遺産分割協議のやり直しを行う際には慎重にならざるをえません。

贈与税などの課税問題がクリアできれば再び遺産分割協議を行いますが、本件の貸駐車場は長兄Aへの名義変更(相続を原因とする所有権移転登記)を完了していますから、いったん長兄Aへの所有権移転登記を抹消し(所有権抹消登記または更正登記)、再度次兄Bへの名義変更をすることになります。登記申請に伴う登録免許税についてももう一度納付しなければなりません。

 

【Reference】

遺産分割をやり直したいというご相談は意外とあります。その理由は、次の2通りに大別できます。

(1)相続人全員の合意によって遺産分割の一部または全部を変更したいというケース
この場合、法的には「一度成立した遺産分割協議を合意解除し、再び遺産分割協議をする」と考えます。「すでに成立した遺産分割協議を変更する」とは考えません。

(2)遺産分割協議に無効の原因があるケース
たとえば、一部の相続人が価値の高い相続財産を隠していて、遺産分割協議が終わった後にその事実が明るみになった場合、もしもその相続財産の存在を他の相続人が初めから知っていたならばそのような遺産分割協議は成立しなかっただろうと考えられるような場合があります。
この場合には、遺産分割協議において重要な部分に錯誤がありますから、相続人は遺産分割協議の錯誤による無効を主張し、再び遺産分割協議を行うことができるでしょう。

なお、「単に一部の相続財産が協議から漏れていた」という場合には、後から発見された相続財産について追加的に遺産分割協議をすれば良いだけの話ですから、すでに成立した遺産分割協議の無効を主張することはできません。

本件のご相談は(1)のケースですので、ここで解説します。(2)のケースは次のQ043で解説します。

 

合意による遺産分割協議のやり直し

相続人全員の合意によって遺産分割協議のやり直しができるかどうかについては最高裁判決があります。

「共同相続人の全員が、既に成立している遺産分割協議の全部又は一部を合意により解除した上、改めて遺産分割協議をすることは、法律上、当然には妨げられるものではなく・・・」(平成2年9月27日最高裁判決)

法律的な言い回しでわかりにくいですが、合意による遺産分割協議のやり直しは「できる」という判断です。
これを受けて、たとえ不動産の所有権移転登記を済ませてしまっていた場合でも、これをいったん抹消して再分割後にあらためて所有権を移転することができるようになっています。

このように司法の判断や手続きでは問題ないのですが、いざ相続人間の合意によって遺産分割協議のやり直しをすると、思いもよらぬ課税問題に直面することになります。
と言うのも、遺産分割協議のやり直しによって相続人間で配分し直した財産は、『贈与』『交換』『売買』など、遺産分割以外の方法によって取得したものとして取り扱われ、贈与税や譲渡所得税がかかってきてしまうのです(相続税法基本通達19の2-8より。本ページ末尾に記載)。

その理由は、このような合意による遺産分割のやり直しによる再配分が「一般的には、共同相続人間の自由な意志に基づく贈与又は交換等を意図して行われるものである」から、なのだそうです(名古屋国税局回答事例より。国税庁の言いたい事はなんとなくわかりますが、論理は成り立っていませんね・・・)。

従いまして、相続税を納めている場合には、それとは別に贈与税や譲渡所得税がかかってきてしまいます。
そうでなくても贈与税は税率が高いため、基本的には合意による遺産分割協議のやり直しは避けるべきであり、そのためにも最初の遺産分割協議をくれぐれも慎重にまとめることが大切なのです。

もっとも、(よほど)やむをえない理由があって遺産分割協議の合意による解除をする必要がある場合には、多少お目こぼしはあるようですが・・・

 

ご参考 相続税法基本通達19の2-8
「ただし、当初の分割により共同相続人又は包括受遺者に分属した財産を分割のやり直しとして再配分した場合には、その再配分により取得した財産は、同項に規定する分割により取得したものとはならないのであるから留意する。(昭47直資2-130追加、昭50直資2-257、平6課資2-114改正)」

 

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Q041 相続人の中に未成年者がいる場合の遺産分割協議は?

【Question】

私と小学生の子供2人を残して、夫が亡くなりました。
住宅ローンは団信に入っていたので清算されましたが、残された自宅は私名義にしようと考えています。子供たちがまだ幼いので、私が親権者として遺産分割協議書に署名捺印すればいいのでしょうか。

 

【Answer】

親権者は未成年者である子の財産管理権を有しますが、未成年の子がいるご夫婦の一方が亡くなった場合の遺産分割協議では、配偶者は未成年の子の親権者として、子を代理して遺産分割協議をすることはできません。
家庭裁判所で未成年者の特別代理人を選任してもらい、その特別代理人が未成年の子を代理して遺産分割協議に参加することになります。子が2人ならば特別代理人も2名選任してもらう必要があります。

家庭裁判所に特別代理人の選任を求める場合、遺産分割協議書の案を添付します。このとき、未成年者の相続分には十分な配慮をすることを求められます。なるべく司法書士のサポートを受けることをおすすめします。

 

【Reference】

通常、親権は未成年の子に代わって親権者である父と母が共同で行使するのですが、このケースでは父が亡くなっているので、親権者は母だけ、ということになります。

すると、父の遺産について分割をする母は、子の親権者としても協議に参加することになって、母の立場と子の親権者としての立場が衝突します。これを「利益相反(りえきそうはん)」といいます。

このような利益相反関係にある場合、遺産分割をする前提として、家庭裁判所に「特別代理人」の選任を申し立てます。

申し立てのときに特別代理人の候補者を用意して申し立てるのが通常ですが、この候補者は誰でもかまいません。一般的には未成年者のご親族とすることが多いです。

ただし、申し立ての時に遺産分割協議書の案を用意するのですが、遺産分割に参加することができない未成年者の権利を守るため、未成年者の法定相続分を確保した分割協議書案でないと家庭裁判所は認めてくれません。

また、分割協議書案に記載された財産について、資料の提出を求めてくる家庭裁判所も少なくありません。

特別代理人選任の申し立てにあたりましては、なるべく司法書士のサポートを受けられることをおすすめします。

 

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Q040 遺産分割協議のために相続人全員が集まる必要があるか

【Question】

遺産分割協議をしなければならないのですが、きょうだいが皆遠方に住んでおり、全員集まるのが大変です。
そうは言っても法律の決まりですから、やはり皆で顔を合わせて話し合わないといけないのでしょうか。できれば電話で済ませられるとありがたいのですが。

 

【Answer】

遺産分割協議は、もちろん相続人全員で集まって腹を割って話し合えれば、それに越したことはありません。

しかし、相続人が遠方にいる場合には全員が一度に集まるというのは難しいかもしれません。その場合には何度かに分けて集まっても、電話を利用して話をまとめても、問題はありません。

ただし、集合しなくても相続人全員の意見が一致することが必要で、相続人を一人でも欠いた遺産分割協議は無効です。

 

【Reference】

遺産分割協議と言うと相続人全員が一堂に会して話し合いをしなければならないようなイメージがありますが、一度に全員が集まれないのであれば何度かに分けても良く、電話で話し合っても方法として問題はありません。
(協議がまとまらない場合に利用される家庭裁判所の遺産分割調停手続きでも、新しい家事事件手続法によって電話による調停が可能になりました)

ただし、遺産分割協議の結果を書面にまとめ、相続人全員が署名捺印(実印)したうえ印鑑証明書をつけなければ、不動産の名義変更などができません(注1)。

そのため、電話で遺産分割協議をする場合には、
(1)1通の遺産分割協議書を郵送でやり取りして、持ち回りで署名捺印をする
か、または
(2)『遺産分割協議証明書』という全員同じ内容の書面を人数分用意して、相続人それぞれに郵送して署名捺印してもらう
か、どちらかの方法で書面をととのえる必要があります。

これらの書面への捺印はそれぞれの実印であり、印鑑証明書をつけてもらいますので、郵送で紛失してしまうと大変です。書類の受け渡しを行う際には書留扱いとし、取り扱いに十分注意してください。

また、遺産の中に預貯金があると、その手続きにあたって金融機関所定の様式に相続人全員の署名捺印を求められるケースが少なくありません。
何度も書類のやり取りをするのは面倒ですから、遺産分割協議書(または遺産分割協議証明書)を郵送でやり取りするときには、このような金融機関所定の用紙も一緒に同封しておくようにすれば楽です。

(注1)ワープロソフトなどで遺産分割協議書(または遺産分割協議証明書)を作るときに相続人の住所氏名まで入力してから印刷し、相続人本人に捺印(実印)だけをしてもらう方法でも有効であり、手続き自体は可能です。
ただし紛争の原因になることがありますので、なるべく自筆署名のほうが望ましいと言えます。

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