Q070 戸籍謄本(除籍謄本・原戸籍謄本)を入手するには

【Question】

相続手続きで、亡くなった母が生まれた時から死亡するまですべて記載された戸籍謄本を取るように求められました。
母の実家は遠方にあり、結婚前の戸籍を取りに行くのは大変です。どうすればいいですか。

 

【Answer】

戸籍は各市区町村で保管しています。戸籍を保管している役場が遠方なら、戸籍謄本等は郵送で取り寄せることができます。現在ではほとんどの市区町村が、郵送による戸籍請求の方法をホームページ上で公開しています。

ただし、大変に面倒なうえ、どこを見れば「連続した」と言えるのか、またどこを見れば「すべてそろっている」と言えるのか、一般の方には非常に骨が折れる作業です。司法書士等の専門家なら、業務に必要な範囲で取り寄せを代行してくれます。

 

【Reference】

どうして戸籍謄本等が必要なの?

相続手続きでは、数多くの戸籍謄本類(戸籍謄本・除籍謄本・原戸籍謄本)が必要になります。
その理由については「Q069 相続手続きで戸籍謄本が必要になる理由」をごらんください。

 

実際に戸籍謄本等を取得する方法

戸籍謄本等は,一番新しい戸籍(被相続人が死亡した事実が記載されている戸籍)から順番に、より古い戸籍へとさかのぼって取得していくのが一般的です。

入手する方法は次の3つです。

 

方法(1)本籍地の市区町村役場の窓口で直接申請する

この場合、窓口で「相続手続のために使う」と伝えれば、被相続人が記載されている戸籍謄本等でその役場に保管されているものならば、すべて出してくれるはずです。

戸籍謄本等はプライバシーの最たるものです。申請の際には必ず身分証明書の提示を求められますので、免許証などを忘れないようにしましょう。

また、一定の親族でない者は取得できない仕組みになっておりますので、戸籍を請求する人が故人の直系の親族であることを証明するための戸籍謄本は持参しましょう(申請者の本籍が同じ市区町村ならば必要ありません)。
なお、取れるのは自分の親・祖父母や子・孫のような直系親族だけで、兄弟姉妹などの傍系親族の戸籍を取ることはできません

手数料は、戸籍謄本が1通450円、除籍謄本・原戸籍謄本が1通750円もします。
さかのぼって発行してもらうと結構な金額になることがありますので、現金を多めに用意しておきましょう。

 

方法(2)郵便で申請する

本籍地の市町村役場のホームページに、郵送による戸籍請求の方法が記載されていることが多いですので、申請方法を必ず確認します。もちろん電話で問い合わせてもかまいません。

申請書の様式は市区町村によって異なりますが,内容はどこも同じようなものです。ホームページから申請書の様式をダウンロードできる場合もありますので,それを印刷して使うと便利です。

郵送申請では、通常、以下の書類を同封します(役場によって異なることがあります)
申請書
・手数料相当の定額小為替
返信用封筒(返信切手は余裕を持って貼っておく)
身分証明書のコピー
戸籍請求者の戸籍謄本等のコピー(対象者が直系の親族であることを証明するため)

手数料は、戸籍謄本が1通450円、除籍謄本・原戸籍謄本が1通750円で、戸籍の附票は市区町村により異なります。
現金を送ることはできないので、定額小為替を郵便局で購入して送ります。ただし、申請先の役場で取れる戸籍謄本等がはたして何通あるかは、実際に申請してみないとわかりませんから、定額小為替は多めに同封しておきます。
なお、定額小為替そのものの発行にも、1枚100円の手数料がかかります。高いです。

取れるのは自分の親・祖父母や子・孫のような直系親族だけで、兄弟姉妹などの傍系親族の戸籍を取ることはできません

 
方法(3)司法書士等の専門家に代行してもらう

戸籍(戸籍謄本・除籍謄本・原戸籍謄本)を一般の方がそろえるには、次の3つの問題があります。

(1)自分の親や子についてのものしか取れない。兄弟姉妹の分は取れない。

(2)取得するには、その戸籍を保管している役場に行って取得するか、郵便で取得しなければならないので面倒

(3)そもそも、古くてわかりにくい書類なので、どこをどう読めば「連続している」と言えるのか、理解が難しい

そこで、司法書士などの専門家に依頼して、このような面倒な作業を代行させることができます。司法書士などの専門家は、依頼を受けた業務に必要な範囲で、職権でこれらの書類を取り寄せることができます。この場合、兄弟姉妹のような傍系の親族についても取り寄せることができます。

 

 

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2014年3月3日 | カテゴリー :