Q071 戸籍謄本等がつながっているかどうかを確認するには

【Question】

母の戸籍を死亡から出生までさかのぼって取得しているのですが、どこをどう見れば戸籍が連続してつながっているのか、見方がよくわかりません。

 

【Answer】

『新しいほうの戸籍謄本等が作成された日付』と、『1つ前の戸籍謄本等が最終的に有効であった日付』とが一致すれば、戸籍は連続しています。

 

【Reference】

相続手続きでは、数多くの戸籍謄本類(戸籍謄本・除籍謄本・原戸籍謄本)が必要になります。
その理由については「Q069 相続手続きで戸籍謄本が必要になる理由」をごらんください。

被相続人の戸籍については、出生した時から死亡した時まですべてつながっていないと各種手続きを進めてもらえません。
なぜなら、その間に子を作ったり認知したりしている可能性も否定できないからです。

そこで、「戸籍がつながっているかどうか」がポイントになってくるわけですが、慣れていないとこれが難しいのです。
基本的には、2つの戸籍謄本等がつながっているかどうかは、『新しいほうの戸籍謄本等が作成された日付』と、『1つ前の戸籍謄本等が最終的に有効であった日付』とが、一致しているかどうかに着目して判断します。

ここから、比較的最近の戸籍謄本(戸籍事項証明書)を事例として、どこに着目するか説明します。
ただし、これですべてではありません。さらに古い戸籍のケースなど、この説明では不十分な場合もございます。あらかじめご承知おきください。

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(もっと古い戸籍では、戸籍事項欄と身分事項欄が区別されていません。戸主の身分事項欄にまとまって記載されています)

 

戸籍がいつ作られたかは戸籍事項欄で判断する

その戸籍がいつ作られたかは、戸籍事項欄を見ると分かります。
戸籍事項欄には、次の(A)~(C)のいずれかが、日付とともに記載されています。それが、その戸籍が新しく作られた日付です。

(A)改製・・・法改正によって戸籍の様式が変更された場合です。
一つ前の戸籍を取得してみると、『改製原戸籍』と書かれた戸籍になっています。この改製原戸籍の冒頭部分(本籍の横あたり)に、改製された結果いつその戸籍が消除されたか(いつまで有効だったか)という日付が入っています。
この『消除日』と、すぐ次の戸籍の『改製日』は通常は一致していますので、これでつながっていることがわかります。

 

(B)編製・・・婚姻・離婚・養子縁組等によって身分の変動があった場合です

戸籍事項欄に「編製」と書かれていれば、そこに書かれた日付がその戸籍が作られた日(編製日)になります。
一つ前の戸籍を取得して、故人の身分事項欄に着目します。するとそこに、日付とともに「新戸籍編製により除籍」という記載があると思います。この除籍日と新戸籍の編製日とが一致すれば,戸籍はつながっています。

 

(C)転籍・・・他の市区町村から本籍を移した場合

戸籍事項欄に「(別の市区町村から)転籍」と書かれていれば、そこに書かれた日付がその戸籍が作られた日(転籍日)になります。
前の市区町村で一つ前の戸籍を取得すると『除籍謄本』になっているはずですから、戸籍事項欄に除籍日が記載されています。この除籍日と新戸籍の転籍日とが一致すれば,戸籍はつながっています。

 

こうして戸籍がつながっていることを確かめながら、順番に古い戸籍をたどっていきます。
そして、被相続人が出生した日より前に作成された戸籍にたどりつけば、被相続人の出生した日から死亡した日までの連続したすべての戸籍を取得したことになり、相続人調査は終了します。

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2014年3月5日 | カテゴリー :

Q070 戸籍謄本(除籍謄本・原戸籍謄本)を入手するには

【Question】

相続手続きで、亡くなった母が生まれた時から死亡するまですべて記載された戸籍謄本を取るように求められました。
母の実家は遠方にあり、結婚前の戸籍を取りに行くのは大変です。どうすればいいですか。

 

【Answer】

戸籍は各市区町村で保管しています。戸籍を保管している役場が遠方なら、戸籍謄本等は郵送で取り寄せることができます。現在ではほとんどの市区町村が、郵送による戸籍請求の方法をホームページ上で公開しています。

ただし、大変に面倒なうえ、どこを見れば「連続した」と言えるのか、またどこを見れば「すべてそろっている」と言えるのか、一般の方には非常に骨が折れる作業です。司法書士等の専門家なら、業務に必要な範囲で取り寄せを代行してくれます。

 

【Reference】

どうして戸籍謄本等が必要なの?

相続手続きでは、数多くの戸籍謄本類(戸籍謄本・除籍謄本・原戸籍謄本)が必要になります。
その理由については「Q069 相続手続きで戸籍謄本が必要になる理由」をごらんください。

 

実際に戸籍謄本等を取得する方法

戸籍謄本等は,一番新しい戸籍(被相続人が死亡した事実が記載されている戸籍)から順番に、より古い戸籍へとさかのぼって取得していくのが一般的です。

入手する方法は次の3つです。

 

方法(1)本籍地の市区町村役場の窓口で直接申請する

この場合、窓口で「相続手続のために使う」と伝えれば、被相続人が記載されている戸籍謄本等でその役場に保管されているものならば、すべて出してくれるはずです。

戸籍謄本等はプライバシーの最たるものです。申請の際には必ず身分証明書の提示を求められますので、免許証などを忘れないようにしましょう。

また、一定の親族でない者は取得できない仕組みになっておりますので、戸籍を請求する人が故人の直系の親族であることを証明するための戸籍謄本は持参しましょう(申請者の本籍が同じ市区町村ならば必要ありません)。
なお、取れるのは自分の親・祖父母や子・孫のような直系親族だけで、兄弟姉妹などの傍系親族の戸籍を取ることはできません

手数料は、戸籍謄本が1通450円、除籍謄本・原戸籍謄本が1通750円もします。
さかのぼって発行してもらうと結構な金額になることがありますので、現金を多めに用意しておきましょう。

 

方法(2)郵便で申請する

本籍地の市町村役場のホームページに、郵送による戸籍請求の方法が記載されていることが多いですので、申請方法を必ず確認します。もちろん電話で問い合わせてもかまいません。

申請書の様式は市区町村によって異なりますが,内容はどこも同じようなものです。ホームページから申請書の様式をダウンロードできる場合もありますので,それを印刷して使うと便利です。

郵送申請では、通常、以下の書類を同封します(役場によって異なることがあります)
申請書
・手数料相当の定額小為替
返信用封筒(返信切手は余裕を持って貼っておく)
身分証明書のコピー
戸籍請求者の戸籍謄本等のコピー(対象者が直系の親族であることを証明するため)

手数料は、戸籍謄本が1通450円、除籍謄本・原戸籍謄本が1通750円で、戸籍の附票は市区町村により異なります。
現金を送ることはできないので、定額小為替を郵便局で購入して送ります。ただし、申請先の役場で取れる戸籍謄本等がはたして何通あるかは、実際に申請してみないとわかりませんから、定額小為替は多めに同封しておきます。
なお、定額小為替そのものの発行にも、1枚100円の手数料がかかります。高いです。

取れるのは自分の親・祖父母や子・孫のような直系親族だけで、兄弟姉妹などの傍系親族の戸籍を取ることはできません

 
方法(3)司法書士等の専門家に代行してもらう

戸籍(戸籍謄本・除籍謄本・原戸籍謄本)を一般の方がそろえるには、次の3つの問題があります。

(1)自分の親や子についてのものしか取れない。兄弟姉妹の分は取れない。

(2)取得するには、その戸籍を保管している役場に行って取得するか、郵便で取得しなければならないので面倒

(3)そもそも、古くてわかりにくい書類なので、どこをどう読めば「連続している」と言えるのか、理解が難しい

そこで、司法書士などの専門家に依頼して、このような面倒な作業を代行させることができます。司法書士などの専門家は、依頼を受けた業務に必要な範囲で、職権でこれらの書類を取り寄せることができます。この場合、兄弟姉妹のような傍系の親族についても取り寄せることができます。

 

 

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2014年3月3日 | カテゴリー :

Q010 相続人が誰もいないとき(相続人不存在・特別縁故者)

Q 私は独身を通してきて、子はおらず、きょうだいもいません。
ずっと働いていましたので家や預金などはありますが、私の死後この財産はどうなってしまうのでしょうか?

 

A このまま何もしなければ国の財産になりますが、お世話になった人などに財産が渡ることもあります。
特定の人や団体に財産を引き継いでもらいたいというご意思があるならば、遺言書による『遺贈』が有効です。

 

『相続人の不存在』とは

どなたかがお亡くなりになったときに相続人が誰もいない場合には、民法の『相続人不存在』の規定が適用され、持ち主がいなくなってしまった財産は、最終的には国のものになります。

相続人不存在とは、次のような場合があてはまります。
(1)戸籍謄本などの記載から、相続人に該当する人がいない場合
(2)相続人全員が家庭裁判所で相続放棄の申述をした場合

誤解が生じやすいところですが、「相続人はいるけれどもどこにいるかわからない」という場合は『相続人不存在』ではなく、『失踪宣告』や『不在者財産管理』という別の手続きになります。

 

相続人不存在の場合の手続き

相続人不存在の手続き

相続人不存在の場合には遺産の持ち主がいなくなってしまうので、ひとまず死亡と同時に一種の財団法人のようなものが成立したことにして、家庭裁判所が選任した『相続財産管理人』という人(弁護士・司法書士等)に遺産の清算手続きが任せられます。

相続財産管理人は、故人の遺産を整理して負債や支払いを済ませるいっぽうで、本当に相続人や遺言で財産をもらった人(受遺者)がいないか調べます。

誰も相続人・受遺者として名乗りでなければ、残った財産は国のものになります。

ただし、故人と特別な関係にある人に対しては、遺産を分与する制度があります。
これが『特別縁故者』という制度です。

 

特別縁故者とは

相続人不存在の場合、故人と特別な関係がある人は遺産の分与を受けられる可能性があります。それでは、どのような人が特別縁故者にあたるのでしょうか。

条文(民法958条の3)では「被相続人と生計をともにしていた者」「被相続人の療養看護に努めた者」をあげていますが、これは例示ですので、このような人に限るわけではありません。
特別縁故者は、血縁関係の有無を問わず、団体でも認められることがあります。
審判で認められたケースには、次のようなものがあります。

・長年連れ添った内縁の妻
・事実上の養子
・故人が財産を取得するときに多額の支援をした継母
・故人と長年親交があり、献身的な漢語をした教え子
・故人の芸道の弟子
・故人の菩提寺
・故人が世話になった介護施設
・宗教法人

多くの場合、故人の身辺の世話をしたり、葬儀等を主宰したりしたことや、故人によって生計を維持していたこと等が特別縁故者と認められる要因になっているようです。

反対に、次のような人は特別縁故者ではないと判断されています。
・親族であっても特に身辺の世話をしていない人
・葬儀は行ったけれども生前に何もしていない人
・生前の交際が愛人関係にすぎない場合
・故人の介護をしても、相応の報酬を受領している場合

特別縁故者への遺産分与は、当然の権利として与えられているものではなく、家庭裁判所が「遺産を分与するのにふさわしい」と判断した場合にだけ、例外的に認められるものです。そのため、次のような特徴があります。

(1)特別の縁故があったと考える人は、一定の期間(上の表をごらんください)内に家庭裁判所に審判の申立てをする必要があります。

(2)縁故の内容や濃淡、年齢・性別・職業・教育程度、遺産の種類や額・内容・状況・所在などのいろいろな事情を考慮して、家庭裁判所が遺産を分与するかどうか決めます

(3)分与される遺産は、遺産全部のこともあれば、一部のこともあります。また、遺産をそのまま分与されることもあれば、お金に換えてから分与されることもあります。

ご相談者のように相続人がいない方は、万一の事があれば、遺産は基本的に国に持っていかれてしまいます。もし特定の方に財産を残したいという場合や、特定の団体に寄付をしたいという場合には、遺言書を作成し、「遺贈」という方法で確実に思いをかなえることができます。いかがでしょうか。

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2013年10月16日 | カテゴリー :

Q009 浪費家の息子に相続させたくない場合は(推定相続人の廃除)

Q 長男は、私たち夫婦にひんぱんに暴力を振るいます。
ギャンブル好きで浪費も激しく、嫁は孫を連れて出て行ってしまいました。
どうせ浪費されてしまうとわかっているので、長男には私たちの財産を遺すつもりはありません。
けれども、長男の子である孫には遺してあげたいのです。
なにかいい方法はないでしょうか。

 

A 推定相続人の廃除の請求を家庭裁判所で行う方法がありますが、ご長男に知られると報復される危険がありますので、遺言を作り、遺言の中で廃除の意思表示を行うことをおすすめします

遺言で廃除の意思表示をせず、「長男に遺産は渡さない」という遺言を書くだけでは、ご長男にも遺留分があるので遺産の一部が渡ってしまいます。必ず廃除の意思表示を遺言に残すようにしてください。

遺言で廃除の意思表示をしておけば、あなた方に万一の事があったら、遺言執行者が家庭裁判所に廃除の請求をします。これが家庭裁判所によって認められれば、ご長男は遺留分も剥奪され、遺産がご長男に行くことはありません。

 ご長男が相続人から廃除された場合には代襲相続となり、お孫さんが代襲相続人になります。せっかく遺言を作るのですから、遺言で他のご子息やお孫さんへの遺産の配分を指定しておいてはいかがでしょうか。

なお、廃除を家庭裁判所が認めるハードルは、結構高いです。暴力の内容や日時など非行の形跡をメモし、第三者の証言やけがをしたときの診断書など証拠となるものは押えておく必要があります。また、廃除の理由については遺言書に書くのは簡潔にとどめ、詳しい内容は公証役場の宣誓認証を活用します。

 

推定相続人の廃除とは

将来のあなたの相続人となる人(『推定相続人』といいます)の中に、自分の遺産を相続させたくない者がいる場合には、家庭裁判所に請求して相続権を剥奪することができる制度です(生前廃除、民法892条)。

廃除は遺言ですることもできます(民法893条)。この場合、遺言執行者が家庭裁判所に廃除の請求をします。

なぜ「廃除」で「排除」ではないのか、という質問をされることがありますが、単なる法律用語です。理由は私も知りません・・・

 

廃除の要件

(1)廃除の対象になる人

廃除の対象になるのは、遺留分を有する推定相続人に限られます。
言い換えれば、兄弟姉妹以外の推定相続人に限られます。
兄弟姉妹が推定相続人となる場合、兄弟姉妹には遺留分がないので、相続させたくない人には遺言でその相続分を0にしたり、全財産を第三者に遺贈したりすることができるので、廃除の対象になりません。

遺留分放棄をした人も廃除の対象になりません。

 

(2)廃除事由

廃除をするためには、下記の事由のどれかにあてはまらなければなりません。

(a)推定相続人が被相続人に対して虐待をしたこと
(b)推定相続人が被相続人に対して重大な侮辱をしたこと
(c)推定相続人にその他の著しい非行があったこと

ただし、これらの事由に該当する場合でも、そもそもの原因を被相続人が作り出したような場合や、一時の激情に駆られたような場合には、判例は廃除請求を認めていません。
また単なる素行不良や浪費といった事実だけでも判例は廃除の請求を認めません。
家庭裁判所における廃除のハードルは、結構高いのです。
廃除の請求を行う場合には、弁護士や司法書士に必ず相談するようにしてください。

ご参考 平成4年12月11日東京高等裁判所決定
「民法第892条にいう虐待又は重大な侮辱は、被相続人に対し精神的苦痛を与え又はその名誉を毀損する行為であって、それにより被相続人と当該相続人との家族的協同生活関係が破壊され、その修復を著しく困難ならしめるものをも含むものと解すべきである。」

 

廃除の効力

廃除の審判の確定によって、その相続人はただちに相続権を失います。
遺言による廃除等の場合には、廃除は被相続人の死亡の時にさかのぼって相続権を失います。

ただし、相続欠格と異なり、遺贈を受けることはできます。

廃除の効果は、廃除された人と被相続人との間の相続に限って生じます。廃除されても他の被相続人との関係では相続権を失いません。
ご相談者の事例では、ご夫婦ともに廃除の意思表示をしておく必要があります。

また、廃除によって代襲相続が生じます(民法887条2項)。
ご相談者の場合、ご長男に子供がいるようですので、相続権はご長男を素通りしてお孫さんに行きます。この点は間違いやすいので注意が必要です。

廃除の審判が確定すれば、市町村役場に戸籍の届出を提出し、推定相続人から廃除された旨が記載されます。
従いまして、廃除の事実は戸籍謄本によって証明することが可能です。

 

廃除の取り消し

廃除を取り消したいときには、いつでも家庭裁判所に廃除の取り消しを請求できます(民法894条)。
廃除の取り消しの意思表示も遺言ですることができます。

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2013年10月11日 | カテゴリー :

Q008 遺言書を破り捨てた弟は相続人になるのか(相続欠格)

Q 先日父が亡くなりました。相続人は母・私・弟の3人です。
弟は以前から父に迷惑ばかりかけていたので、父は生前に遺言書を書いていました。
しかし、父が亡くなってから、その遺言書を弟が破り捨ててしまいました。
このような場合でも弟は相続人になるのでしょうか。

 

A あなたの弟さんは『相続欠格』という決まりによって、相続人になれない可能性があります。
ただし、弟さんに子供がいる場合には代襲相続となりますのでご注意ください。

相続欠格とは

本来ならば相続人となる人でも、その人に相続権を与えることが一般人の感覚として不適当な場合に、法律上当然に相続人の資格を失わせる制度のことを『相続欠格』といいます。

どのような場合に相続欠格にあたるかは民法で決まっており、これを『相続欠格事由』といいます。
この『相続欠格事由』は、大きくわけると2つのグループにわかれます。1つは故人などの生命を侵害する行為、もう1つは故人の遺言に関する不当な行為です。

相続欠格事由その1 故人などの生命を侵害する行為

被相続人などの生命を侵害するような行為をした相続人は、相続欠格事由にあたり、相続権を失います。

相続人が故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、 又は至らせようとしたために、 刑に処せられた場合 (民法891条1号)

被相続人に対する殺人や殺人未遂・殺人予備の罪で確定有罪判決を受けた場合には、相続欠格事由となり、相続権を失います。
「故意に」とされているので、過失致死罪や傷害致死罪の場合は相続欠格事由となりません(大正11年9月25日大審院判決)。 また、相続開始後に有罪判決が確定した場合には相続欠格事由に該当するという古い判例があります。

有罪の判決に執行猶予がついた場合、猶予期間を無事に終えれば刑に処せられなかったことになるので、相続欠格事由にはなりません。

被相続人だけでなく、先順位・同順位の相続人に対する殺人等の罪で有罪判決を受けた場合にも、相続欠格事由に該当します。
たとえば、亡父を相続する場合で、相続人にあたる母や他の子(殺害者のきょうだい)を殺害した者は、相続欠格事由にあたり相続権はありません。

相続人が、被相続人の殺害されたことを知って、 これを告発せず又は告訴しなかった場合(民法891条2号)

被相続人が殺害された場合に、相続人がその犯人を知っていたにもかかわらず、捜査機関に告訴・告発しなかった場合も相続欠格事由に該当します。
ただし、次の例外があります(民法891条2号但し書き)。
(1)その相続人に是非の弁別がつかないとき
(2)殺害者がその相続人の配偶者や直系血族(親や子供)であったとき
(加害者が相続人の近親者であるときは、人情的に告訴・告発を強制できないので例外とされています)

犯罪が発覚して捜査が開始された後は、 告訴・告発しなかった場合でも欠格事由にあたりません。

 

相続欠格事由その2 故人の遺言に関する不当な行為

被相続人の遺言に関して次のような行為があった場合、その行為をした相続人は、相続欠格事由に該当し、相続権を失います。

詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた場合 (民法891条3号)

『相続に関する遺言』とは、相続人の範囲や相続財産に影響を与える遺言のことです。
相続欠格という制度は、相続で不当な利益を得ようとしたことに対する制裁ですから、相続を自分の有利にしようとする意思がなければ相続欠格事由にはならないと考えられています。

詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、 これを取り消させ、 又はこれを変更させた場合 (民法891条4号)

相続に関する被相続人の遺言書を偽造・変造・破棄・隠匿した場合 (民法891条5号)

『偽造』とは、被相続人の名前で勝手に遺言書を作ることです。
『変造』とは、書き加えたり削ったりして遺言書の内容を改ざんすることです。
『破棄』とは、遺言書を破り捨てたり塗りつぶしたりすることです。
『隠匿』とは、遺言書の発見を妨げることです。
このような行為は相続欠格事由に該当し、相続権を失います。

なお、遺言書の破棄・隠匿について、破棄・隠匿する意思の他に、相続に際して不当な利益を得ようとする目的が必要かどうかという点が争われたことがあり、この点について最高裁は『必要』と判断しました(平成9年1月28日判決)

 

相続欠格の効果

相続欠格事由に該当した相続人は、法律上当然に相続権を失います(民法891条)。特別な手続きは必要ありません。
遺贈を受けることもできません(民法965条)。
相続欠格者が事実上遺産を相続してしまっている場合には、他の相続人は表見相続人に対する相続回復請求をすることになります(民法884条)。

相続欠格によって代襲相続が生じます(民法887条2項)。
ご相談者の場合、相続欠格者である弟さんに子供がいる場合には、相続権は弟さんを素通りしてその子(お父さんから見れば孫)に行きます。この点は間違いやすいので注意が必要です。

なお、相続欠格によって相続権を失うのは、特定の被相続人に対する関係だけに限定されます。
ご相談者の場合、父親の書いた遺言書を破棄した弟さんは、父親の相続については相続権を失う可能性がありますが、将来母親の相続が発生した場合には、母親の相続人になることはできます。

ところで、相続欠格によって当然に相続権を失うといっても戸籍にのるわけではありませんので、確定有罪判決がないケースでは客観的に証明する方法がないことになります。
そのため、不動産登記や銀行窓口などの手続きをするときに、相続欠格の事実をどのように証明するかが問題になります。

不動産登記の場合、相続欠格者自身が作成した自分が相続欠格者であることを認める書面を添付(印鑑証明書付き)することで手続きが可能となりますが、実際上の問題として相続欠格者がこのような書面を書いてくれる可能性は非常に低いと考えられます。
この場合、裁判を起こして相続欠格者に該当することを確認する判決を得て、その判決書を添付することになります。
もっとも、パターン2の遺言書に関する不当な行為がある場合には訴訟等になるケースが多いでしょうから、実際に問題になることは少ないようです。

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2013年10月9日 | カテゴリー :

Q007 養子縁組前に生まれた孫と養子縁組後に生まれた孫の相続権は(代襲相続3)

Q かわいい孫が二人います。実は私たち夫婦には子がなく、養子をとりました。
養子縁組のとき、すでに養子には男の子が一人いて、養子縁組した後、女の子が一人生まれました。
その後、不幸な事故で養子が他界してしまい、残された孫二人が不憫でなりません。
もし私が死亡したら、孫二人に相続権はあるのでしょうか?

 

A あなたの場合、女の子のお孫さんは相続人ですが、男の子のお孫さんは相続人になりません。
男の子のお孫さんを相続人にするには養子縁組が必要です。

 

代襲相続にあてはまりそうだが・・・

被相続人の子や兄弟姉妹が相続人である場合、その本来の相続人が先に死亡しているような場合には、その子が代わりに相続人となります。これを「代襲相続」といいます(詳しくは代襲相続の解説をご覧ください)。

今後、あなたに万一のことがあれば、本来の相続人である養子はすでに亡くなっていますので、お孫さんが二人とも代襲相続人になれそうな気がするのですが、残念ながら違うのです。

 

被相続人の直系卑属でないと代襲相続人になれない

民法では代襲相続について、「被相続人の直系卑属でない者はこの限りではない」という但し書きをおいています。
「直系卑属でない者は代襲相続人になれない」ということなのですが、これが養子について定めている他の条文との関係で、あなたの二人のお孫さんについては全然違う結果になってしまうのです。

養子縁組をするとその日から、養子は養親の実子と法律上同じ立場になります。
血のつながりはないけれども、法律上は血のつながりがあるのと同じになるわけです(法定血族)。

ですから、養子縁組をした後に生まれた子(あなたの場合、女の子のお孫さん)は問題なくあなたの直系卑属となり、代襲相続人になれます。

いっぽう、養子縁組する前にすでに生まれていた子(あなたの場合、男の子のお孫さん)は、あなたとは親族関係がなく、直系卑属にならないのです。直系卑属にならないということは、代襲相続人になることができません。

いかにも不公平なのですが、現在のところ、法律上はこのように考えられています。

 

そこで養子縁組

この不公平は、男の子のお孫さんを養子にすることで解消できます。
養子縁組をすれば、男の子のお孫さんは実子と同一の相続人となります。

女の子のお孫さんは、すでに亡くなっている養子の代襲相続人ですから、二人のお孫さんの相続分は均等になり、不公平はありません。

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2013年10月6日 | カテゴリー :

Q006 連れ子も相続人になれるか

Q 私は前夫との子供2人を連れて再婚しました。今の夫に万一の事があった場合、私の連れ子は相続することができますか?

A 再婚しただけでは、あなたの連れ子は相続人になることができません。
あなたの連れ子は、今のご主人の『子』ではないからです。

 

『被相続人の子』

民法では『被相続人の子』は第一順位の相続人であると規定しています。

しかし、ご質問のような場合、再婚しただけではあなたの連れ子は今のご主人と血縁関係がないため、法律上は『子』ではないのです。

たとえ今のご主人が、あなたの連れ子を実の子のようにかわいがっていたとしても、それだけでは連れ子は相続人にあたらないのです。

 

養子縁組をすれば・・・

ただし、今のご主人とあなたの連れ子が養子縁組をすれば、連れ子も養子縁組の日から養親の嫡出子となり、相続人としての立場はご主人の実子と同じく第一順位の相続人となります。

連れ子が15歳以上であればご本人の意思によって養子縁組ができます(配偶者の連れ子を養子にする場合には家庭裁判所の許可は必要ありません)。

15歳未満であっても親権者などの法定代理人が代わりに承諾をすれば養子縁組をすることができます。

このように、あなたの連れ子が今のご主人と養子縁組をすれば相続人になれますが、一方で、実の父である前のご主人やその親(子にとっては祖父母)の相続人にあたることについては、養子縁組をしても変わりありません。

そのためご主人に実子がいる場合には不公平にならないような工夫が必要になるかもしれません。

なお、相続税を計算する場合には、被相続人に実子がいれば養子のうち1人だけを『法定相続人の数』に含め、被相続人に実子がいなければ2人までを『法定相続人の数』に入れて 控除を受けることができますが、配偶者の連れ子を養子にした場合には、連れ子を何人養子にしても全員を『法定相続人の数』に含めることができます

相続税の計算上で養子の数に制限があるのは、民法では養子の数に規制がないので、相続税を減らすためにたくさん養子をとることを防止する必要があるからです。

しかし、配偶者の連れ子を養子にするならば、相続税逃れのための養子縁組とは考えられないため、相続税法の上でも規制がなくなるのです。

国税庁もたまにはイキな計らいをしてくれるんですね。

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2013年10月4日 | カテゴリー :

Q005 孫は相続人になれるか(代襲相続2)

Q 先日、父方の祖父が亡くなりました。父は10年前に他界しております。父には姉が1人おり、今でも健在です。この場合、孫である私は祖父の相続人になるのでしょうか。

 

A   あなたも相続人になります。

被相続人の子の中で、被相続人より先に亡くなっているような人がいる場合に、さらにその子(被相続人から見ると孫)が代わって相続人になることができます。このような相続人を代襲相続人(だいしゅうそうぞくにん)といいます。
被相続人に子がなく兄弟姉妹が相続人になる場合でも、被相続人より先に亡くなっているような人がいれば、さらにその子(被相続人から見ると甥・姪)が代襲相続人になります。
代襲相続の事例

相続人の範囲は、被相続人が亡くなった時点を基準に決めていくのが民法の原則です(同時存在の原則)。 あなたの事例で考えると、おじい様が亡くなった時点でお父様がすでに他界されていますから、この原則で考えるとあなたのお父様は相続人ではありません。

しかし、相続の順番が逆で、おじい様が先に亡くなっていればお父様が相続人となり、そのお父様が亡くなった時点であなたが相続人になれるはずなのに、あなたのようにお父様が先に亡くなっているためにおじい様の遺産を相続する権利がまったくないというのは、いかにも不公平です。 相続というものは、遺族の生活を保障するというはたらきを持っていますから、これでは本来のはたらきを果たしているとはいえなくなってしまいます。

そこで民法は、同時存在の原則の例外として、本来の相続人となるはずの人が先に亡くなっている等の事情がある場合には、その子が代わりに相続人となることを決めました。 これが代襲相続です。

代襲相続は、次の場合にかぎって起こります。
1)本来の相続人となるはずの人が、被相続人の死亡以前に、すでに死亡している場合。
2)本来の相続人となるはずの人が、相続欠格者の場合。
(相続欠格とは、特別な事情がある人が相続人の資格を失う決まりです。)
3)本来の相続人となるはずの人が、相続の廃除を受けた場合。
(廃除とは、被相続人が、特定の相続資格者から相続資格をはく奪するための手続きです。)

これらの場合には、その子が代わりに相続人になります。
本来の相続人となるべき人が家庭裁判所で相続放棄の申述をした場合や、直系尊属には、代襲相続は認められていません
また、配偶者にも代襲相続権はありません

代襲相続では、本来の相続人となるはずの人が生きていたら受けられた相続分を、代襲相続人が引き継ぎます。
あなたにきょうだいがいなければ、あなたの相続分はご健在のおば様と均等になります。

なお、代襲相続人である孫が、さらに上記1)から3)に該当して相続権を失ったときは、さらにその子(ひ孫)にも代襲相続権が認められます(”再代襲相続”といいます)。
しかし、甥・姪が上記1)から3)に該当している場合には、その子には再代襲相続権は生じません。これを認めると相続人の範囲が広くなりすぎるためです。

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2013年10月1日 | カテゴリー :

Q004 夫が舅より先に亡くなっても、妻は舅の相続人になれるか(代襲相続)

Q 夫が先立って10年になります。その間、私は”長男の嫁”として舅の面倒を見てきました。このような場合、舅に万一の事があった場合には、私は舅の相続人になれるのでしょうか?

A 結論から申し上げれば、あなたはお舅さんの相続人にはなれません。

民法の世界では、配偶者は常に相続人とされていますが、配偶者以外で相続権をもつのは『子』『直系尊属』『兄弟姉妹』に限られています。

子・直系尊属・兄弟姉妹に共通するのは、”被相続人と血のつながりがある”ということで、これを『血族相続人(けつぞくそうぞくにん)』といいます。
『血族(けつぞく)』には、実際に血のつながりがある『自然血族』のほか、養子縁組によって血のつながりがあるのと同視される『法定血族』があります。

『血族』と反対の用語が『姻族(いんぞく)』です。これは、婚姻によってつながりのできた人たちのことをいいます。

あなたの場合、お舅さんから見て『姻族』にあたります。配偶者以外の姻族は相続人の範囲に含まれないため、法律上は残念ながらあなたに相続権はありません。

ただし、亡くなったご主人とあなたとの間にお子様がいらっしゃれば、お子様はお舅さんから見て孫(つまり血族)ですので、亡くなったご主人の代わりに相続人となります。これを代襲相続といいます。

(我が国では急速に高齢化が進行しているため、実感として、このようなご相談は結構多いのです。いずれ『寄与分』のところでも触れますが、介護などを通して高齢者の面倒を見てきた親族が、相続に関する法律の中では正当に評価してもらえないという点は、大きな問題ではないでしょうか。)

では、対策は?

できることなら、お舅さんに遺言を書いてもらいたいところです。他の相続人(亡くなったご主人のきょうだいなど)の遺留分を侵害しない範囲で、財産を遺贈してもらうのが一番確実です。
とはいえ、遺言を書くことをお舅さんに強制することはできません。お舅さんとあなたとの関係が良好ならば、養子縁組によって相続人に加わるということも考えられるかもしれません。

もし順番が逆だったら?

もしもお舅さんが先に亡くなって、そのあとでご主人が亡くなったならば、あなたはご主人の配偶者ですから、ご主人が相続した範囲でお舅さんの遺産を相続する可能性があります(二次相続)。

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2013年9月29日 | カテゴリー :

Q003 相続人の範囲を知りたい(法定相続人とは)

Q 相続人になるのはどのような人ですか?

A 『相続』とは、持ち主が他界した財産について、新しい持ち主を決めていく手続きです。 まず、他界した人のことを『被相続人(ひそうぞくにん)』といいます。

被相続人の遺産を引き継ぐことができるのは、民法という法律によって被相続人の一定の親族と決められています。 この被相続人の遺産を引き継ぐ方を『相続人(そうぞくにん)』といいます。 民法で決められているので『法定相続人』と呼ばれることもあります。

遺産は、遺言書があるなどの特別な事情がない限り、相続人の全員が合意してはじめて相続人の間でわけることができます。 この財産分けのための話し合いのことを、『遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)』といいます。
そのため、遺産分割協議をするにあたっては、まず、誰が相続人なのかを確定することがポイントです。

配偶者は必ず相続人になる

被相続人のお連れ合いのことを『配偶者』といいますが、相続の場合には、配偶者は必ず相続人になります。

ただし、入籍していることが条件になりますので、次のような方は相続人ではありません。
事実婚・内縁関係
離婚した元配偶者
遺族年金は事実婚の場合でも受給できる場合がありますが、遺産相続の場合には入籍していない限り、法律上の相続人ではなく、相続権はありません。 内縁の妻が遺産を受け取るには、遺言書による遺贈(いぞう)または死因贈与契約が必要です。

 

被相続人に子がいる場合

次に、被相続人に子がいる場合には、その子全員が相続人になります。
胎児も、無事誕生することを条件として、相続人にあたります。
配偶者と子がいる場合は、配偶者も子もそれぞれ相続人になります。
相続人 配偶者と子

 

血のつながりのある子供であれば、必ず相続人になります。
そのため、被相続人が再婚している場合、先妻の子も後妻の子も、どちらも相続人にあたります。
他家に養子に出た子も、血のつながりがある以上、相続人のままです(特別養子を除く)。
配偶者の連れ子は血のつながりがないので、養子縁組をしない限り相続人にはなりません。
相続人 先妻の子がいる

 

民法上、「養子」は実子と同じですので、やはり相続人です。
配偶者の連れ子も、養子縁組をすれば相続人となります。
法定相続人 養子と実子

 

また、婚外子(こんがいし)、つまり認知した子供であっても、相続人であることに変わりはありません。
相続人 婚外子 認知した子がいる

 

なお、子の中に、先に亡くなっている子がいる場合には、さらにその子(つまり孫)が第1順位の相続人に繰り上がります。 これを代襲相続(だいしゅうそうぞく)といいます。 その孫もなくなっていれば、ひ孫がやはり代襲相続します(再代襲)。
代襲相続については、別の記事で詳しく説明します。

 

被相続人に子がいない場合

被相続人に子がいない場合、被相続人の父母が相続人になります。
被相続人に配偶者がいる場合は、被相続人の父母と被相続人の配偶者が共同で相続人となります。
法定相続 父母 直系尊属

被相続人に子がいたとしても、その子全員が家庭裁判所で相続放棄申述(そうぞくほうきしんじゅつ)をすれば、子がいないのと同じことになりますので、第2順位の相続人として、被相続人の父母が相続人となることもあります。

まれなケースとして、すでに父母が亡くなっていても、祖父母がご健在ならば、祖父母が相続人になります。 被相続人が養子となって養子縁組をしている場合には、その養父・養母も、実父・実母と並んで、相続人にあたります。

 

被相続人に子も父母もいない場合

被相続人に子も父母もない、あるいは子も父母も全員が家庭裁判所で相続放棄申述をしたような場合には、被相続人の兄弟姉妹が相続人になります。

ここでいう兄弟姉妹には、父母を双方を同じくする兄弟姉妹だけでなく、父母の一方だけが同じ兄弟姉妹(つまり、腹違いの兄弟姉妹)も含まれます。

相続人 兄弟姉妹

 

もしも兄弟姉妹の中で、被相続人より先に死亡しているならば、その子(つまり、被相続人からみると、おい・めい)が代襲相続人になります。
ただし、ひ孫のケースと違って、再代襲の制度はありませんので、おい・めいの子に代襲相続権はありません。
代襲相続については、別の記事で詳しく説明します。

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2013年9月25日 | カテゴリー :