Q かわいい孫が二人います。実は私たち夫婦には子がなく、養子をとりました。
養子縁組のとき、すでに養子には男の子が一人いて、養子縁組した後、女の子が一人生まれました。
その後、不幸な事故で養子が他界してしまい、残された孫二人が不憫でなりません。
もし私が死亡したら、孫二人に相続権はあるのでしょうか?
A あなたの場合、女の子のお孫さんは相続人ですが、男の子のお孫さんは相続人になりません。
男の子のお孫さんを相続人にするには養子縁組が必要です。
代襲相続にあてはまりそうだが・・・
被相続人の子や兄弟姉妹が相続人である場合、その本来の相続人が先に死亡しているような場合には、その子が代わりに相続人となります。これを「代襲相続」といいます(詳しくは代襲相続の解説をご覧ください)。
今後、あなたに万一のことがあれば、本来の相続人である養子はすでに亡くなっていますので、お孫さんが二人とも代襲相続人になれそうな気がするのですが、残念ながら違うのです。
被相続人の直系卑属でないと代襲相続人になれない
民法では代襲相続について、「被相続人の直系卑属でない者はこの限りではない」という但し書きをおいています。
「直系卑属でない者は代襲相続人になれない」ということなのですが、これが養子について定めている他の条文との関係で、あなたの二人のお孫さんについては全然違う結果になってしまうのです。
養子縁組をするとその日から、養子は養親の実子と法律上同じ立場になります。
血のつながりはないけれども、法律上は血のつながりがあるのと同じになるわけです(法定血族)。
ですから、養子縁組をした後に生まれた子(あなたの場合、女の子のお孫さん)は問題なくあなたの直系卑属となり、代襲相続人になれます。
いっぽう、養子縁組する前にすでに生まれていた子(あなたの場合、男の子のお孫さん)は、あなたとは親族関係がなく、直系卑属にならないのです。直系卑属にならないということは、代襲相続人になることができません。
いかにも不公平なのですが、現在のところ、法律上はこのように考えられています。
そこで養子縁組
この不公平は、男の子のお孫さんを養子にすることで解消できます。
養子縁組をすれば、男の子のお孫さんは実子と同一の相続人となります。
女の子のお孫さんは、すでに亡くなっている養子の代襲相続人ですから、二人のお孫さんの相続分は均等になり、不公平はありません。
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